2012年5月11日金曜日

腱の障害~腱炎、腱断裂、腱鞘炎 | 子供や大人のスポーツ障害の治療の基礎知識


腱炎

腱は筋肉の収縮力を骨に伝えているだけではなく、自らも伸びることでエネルギーをたくわえ、スポーツの動作にも関係しています。ただ、強度には限界があり、アキレス腱のように強靭な太い腱でも、強い力が加われば切れることがあります。

腱に加わる力と腱の長さ(伸び)との関係は数十年前の研究で明らかになっています。これによると、腱が4%程度伸ばされるとコラーゲン線維の一部が断裂し、8%伸ばされると全体的な断裂が起こるこになっています。

スポーツ選手の日常的なトレ一二ングにおいて、腱がどのくらい伸びているかについては、数%から十数%までさまざまな見解があります。明確なことはわかりませんが、トレーニング中にコラーゲン線維の一部が損傷している可能性はあります。


半ば背中の痛み寝ている間に

このようなメカニズムで腱のコラーゲン線維の一部が切れ、それに対する炎症や修復反応が起こっているのが「腱炎」と呼ばれる状熊です。ただ、他の運動器の損傷と異なり、明確な炎症の所見がないことから、「腱炎」よりも「腱症」と呼ぶほうが適切ではないかという意見もあります。

腱の内部に硬いしこりができて動きを妨げる場合には、それを取り除く手術が行われることがあります。それ以外は、積極的な治療方法がありません。

腱断裂

切れた腱の線維が多く、肉眼的に確認できる場合には、「腱部分断裂」という診断名が適切と考えられます。さらに、ある特定の筋肉に連結する腱全体が切れた場合には、腱断裂、あるいは腱完全断裂と呼ばれます。


足の舟状骨疲労骨折

腱の断裂は、スパッと切れるのではなく、ほとんどの場合、ロープが切れたときのように、断端がバサバサになっでいます。特に慢性的に腱炎があっだ場合には弱っていた腱が切れるため、広範囲にわたってバサバサした断端になっています。

腱断裂の治療は、縫い寄せる方法と、固定によって癒合させる方法とがあります。最近では、アキレス腱断裂の治療で固定で癒合させる方法が一般的になっています。線維組織の再生は活発なので、腱の断端同士を接触した状態に保つことができれば、癒合は起こります。安静が保ちじくい腱や、細く再生が碓しい部位では、手術で縫い寄せる方法が選択されます。


かゆみの雑草の写真

腱鞘炎

腱は筋肉の収縮力によって骨を引っ張りますが、その際に周囲の組織との摩擦が生じます。そこで、腱が滑らかに動くように、腱の周囲には滑りを助けるための腱鞘が発達しています。しかし、腱鞘の働きを超えるような摩擦や衝突が繰り返されると、腱鞘に炎症が起こります。腱そのものの炎症である「腱炎」に対し、「腱鞘炎」あるいは「腱周囲炎」と呼ばれるのがこの症状です。

腱鞘炎になると、腱鞘の中の潤滑液(滑液)が炎症性の液体と合わさって増加し、患部が腫れ上がります。また、腱鞘の壁の膜も摩擦によって厚くなり、腱の動きが押さえ込まれたり、引っかかりやすくなったりします。これが腱鞘炎の症状として現れる動きの制限や弾発現象の原因です。


腱鞘炎の状態が長期化すると、腱鞘が厚く硬くなり、腱鞘の隙間から腱に向かう血管が圧迫され、血行が途絶えてしまうことがあります。こうなると腱は血行不良で小さな損傷を修復できなくなり、腱症が悪化していくと考えられます。

腱鞘炎の治療では、腱の周りに抗炎症薬を注入するブロック治療が行われます。慢性化して腱の動きが悪くなっている場合には、腱鞘こ切れ目を入れて広げる腱鞘切開という手術が行われます。



These are our most popular posts:

腱炎(肩峰下滑液包炎) - 疾患百科事典 - livedoor Wiki(ウィキ) for ...

肩関節上方には肩峰、烏口肩峰靱帯および烏口突起からなる烏口肩峰アーチが存在 する。肩関節挙上によって、肩腱板(棘上筋腱)および肩峰下滑液包は烏口肩峰アーチ との間で挟まれる。このような運動が長い間繰り返されると、腱板の慢性炎症と慢性肩 峰 ... read more

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)の症状、原因と治療~鍼灸(針灸 ...

この動作が繰り返されると、腱板の慢性炎症と慢性肩峰下滑液包炎が発生し、徐々に 疼痛と炎症を中心とした症状が出現します。 ... 石灰化腱炎. 石灰沈着が棘上筋腱部に 発生。腱の部分壊死による石灰化、カルシウムイオンの透過性の増加による石灰化など ... read more

腱鞘炎 - 整体・ストレッチポールは仙台市スポーツ整体ひふみ健康院 ...

腱の障害は一般に腱炎と腱鞘炎に分けられます。 ①腱炎腱炎は徐々に開始され、微小 な損傷が繰り返されるために散在性の圧痛と変性がみられます。腱炎の明らかな兆候 は、腱を動かした時の痛みと腫れです。 ②腱鞘炎腱鞘炎は腱を包んでいる腱鞘の炎症 ... read more

短腓骨筋腱付着部炎

緑の○で示したように短腓骨筋腱は第5中足骨と呼ばれる足の骨についています。 繰り返される骨と腱の付着部の引っ張り合いによって腱の炎症が生じます。 これがこの 疾患の ... こういう場合には、短腓骨筋腱炎であるということになります。 ですので、処置 ... read more

0 件のコメント:

コメントを投稿